日本化学会誌(化学と工業化学)
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結晶形状の異なる亜硫酸カルシウム半水和物の湿式合成と合成物の性質
安江 任宮本 和男荒井 康夫
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1978 年 1978 巻 11 号 p. 1478-1485

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抄録

プラスチック複合材中の無機質充てん材として亜硫酸カルシウム半水和物(CaSO3,112H,O)を使用するために,結晶形状の異なるCaSO3,112HpをNa2So,溶液にCac1盆溶液を滴下する方法,およびCa(OH)2懸濁液にSO2を吹き込む方法により調製し,これら各結晶の粒径,結晶性,表面性状および熱安定性などのおもに無機質充てん材としての性質たついて検討を行なった。
CaC王2二Na衰SO3系,Ca(OH)2-SOa系いずれの反応においても合成条件の調製により,前者ではいがぐり状(φ5μm),針状(17×0.7μ:m),柱状(14×2μm),板状(50×50μ斑),の4穏後者では微粒(o。05μm),針状(0.5×5μm),板状(6×9μm,4×4μm)の3種の結晶形状の異なるCaSo3,112H20が得られるOこれら結晶の配向性は結晶形状によりいちじるしく相違するので,X線回折図形のピーク写れの強度比から求めた。
-方,CaSo,,112璃0の表面改質嫉各結晶の最適合成条件下においてq7H35CgpNa溶液を含むNa2SO3溶液にCaCl2溶液を滴下することにより可能であり,各結晶形状を保持したまま親水性から親油性表面に改質することができる。CasO,,112H2Oの熱分析(TG-D'TA)から,CasO3。12HOの脱水および酸化に関する熱的挙動は結晶形状によっていちじるしく相違する。たとえば,脱水の活性化エネルギーはいがぐり状(2048k1rno1)から板状(390,4kJ/mol)へ大きく変化する。また,cas0,11多Hpを含有するpvc複合材は加熱にともないPVCの燃焼に起因する発熱ピ丁クはみられず,プラスチックの燃焼の場合にCaSO3,ユ12瑞0中の結晶水燃材として作用することが明らかとなった。さらた,Ca(OH)2話SO,系では文線回折図形上にCaSOrCaSO4系複塩と思われる薪相の存在が確認された。

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