1978 巻 (1978) 12 号 p. 1596-1601
酸化スズ(IV)の酸・塩基的性質が,過塩素酸塩溶液中でサスペンションの電位差滴定を行なうことによって研究された。水溶液中で煮沸処理してつくられた水和SnO2の沈殿は,pH3.6の無電荷点の両側で明白な両性を示す。このSnO2は高いpHでは,大きな表面電荷密度のためにコロイド粒子として溶液中に分散するが,スズ酸イオンとしてはまったく溶解しない。過塩素酸バリウム溶液中におけるOH-の吸着密度の測定によると,酸化物表面には酸解離しうる表面サイトが,SnO2の1kgあたり2,Omol存在するものと推定される。また表面酸解離定数の測定は,0.5mol,dm-3の過塩素酸ナトリウム溶液中における固有酸解離定数の値として,pKo=1.9,pK20=5.1を与えた。この値からSnO2表面が,同族のSiO2と比較して,よりイオン化しやすいことがわかる。電解質の種類や濃度が変わると,酸化物の表面電荷密度の値も変化するが,この原因はイオン化した表面サイトと電解質イオンとの間の表面会合によるものと推定される。