日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
メチレンブルーを用いる水銀の抽出吸光光度定量
康 智三加藤 正秀
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1978 巻 (1978) 5 号 p. 695-699

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抄録

水銀(II)はメチレンブルーとは反応しないが,シアン化物イオン共存下では水銀錯陰イオンを生成し,それがメチレンブルーとのイオン対として1,2-ジクロロエタンに抽出される。この抽出水銀(II)錯体の生成とその抽出条件を検討した結果,微量水銀(II)の定量法を確立した。抽出物は波長657nmに吸収極大を有し,pH7.7~8.0範囲内でもっとも高い一定の吸光度を与えた。発色液はきわめて安定で,室温で3日間放置したのちでも吸光度の変化は見られなかった。水銀濃度と吸光度との間には良好な直線関係が得られ,波長657nmにおける見かけのモル吸光係数と吸光度0.001に対するSandell表示感度はそれぞれ9.02×104cm-1・mol-1・lと2.2×10-3μgHg・cm-2であった。6×1-3mol/l水銀(II)溶液10ml(12μgHg)について6回くり返し実験を行なったところ,対ブランクの平均吸光度は0.541で,標準偏差と相対標準偏差は吸光単位でそれぞれ0.002と0.4%であった。抽出化学種の組成はメチレンブルー:水銀錯体=1:1,シアノ水銀(II)酸錯体はHg:CN=1:3と推定された。

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© The Chemical Society of Japan
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