日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
酢酸セルロース膜を用いた逆浸透分離における中性アミノ酸の非極性効果
戸沢 修美野村 男次
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1978 巻 (1978) 9 号 p. 1291-1297

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抄録

中性アミノ酸の逆浸透分離を回分式セルで,DDS-酢酸セルロース膜を用いて,20 kg/cm2,G,30℃の操作条件下で行なった。膜透過性を表わすパラメーターとして推奨されているTaftの極性パラメーター(27σ*),立体パラメーター(ΣE,)および非極性パラメーター(23*)は根本的には脂肪族アミノ酸のみしか適用できない。そこで含硫,ヒドロキシおよび芳香族アミノ酸にもパラメーターを拡張するために,すべての中性アミノ酸に適用できる共有結合の極性および置換基の分子量そしてLondon-vander Waals分散力による相互エネルギーという物理量を導入し,これらをそれぞれ上述のパラメーターと相関した。この相関関係をもとにして各アミノ酸の非極性効果(ω*.Σ5*)を求めた。ω*.Σ5*の絶対値が増加するとアミノ酸の阻止率は減少した。また.Σ5*に関係した係数(ω*)は置換基の中の炭素原子の数と明確な相関関係があった。直鎖の置換基をもつ脂肪族アミノ酸およびヒドロキシアミノ酸のω*は炭素原子数と比例した。一方,枝わかれ状の置換基をもつ脂肪族アミノ酸および含硫,芳香族アミノ酸のω*は炭素原子数と逆比例した。以上の関係を一次式に近似し,これを用いて計算した各アミノ酸の阻止率は実測値とほぼ一致した。

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© The Chemical Society of Japan
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