日本化学会誌(化学と工業化学)
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外熱方式によるcis-1,2-ジクロロエチレンを原料とする低温気相熱分解炭素の生成
大谷 杉郎小島 昭榎田 高志堀江 慎悟
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1979 年 1979 巻 12 号 p. 1690-1696

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抄録
横型管状炉を用いた外熱方式で,CZS-,2-ジク葎ロエチレンを原料とし,長さ8cmの板状黒鉛基材上に低温気相熱分解炭素(PC)を堆積させた。基材温度600°Cで基材との接着強度の大きいPCが最高150μm1hrの堆積速度で得られた。堆積したPCの断面:構造は,上流(原料導入口付近)ではcolumnar型,さらに下流にゆくにしたがってdenseisotropic型を経て,porousisotropic型へと変化した。PCの堆積状況は,ガス流量によって大きく変化した。原料ガス濃度22vo1%で,ガス流量を35mZ/minから190ml/minへ増加させると,columnar型の領域は1cmから8cmへと広くなった。そして,堆積速度のもっとも大きい位置はis。tr。pic型の領域内にあり,ガス流量が増すとその位置は下流方向へ移動した。-方,ガス流量を100ml/minとし,原料ガス濃度を7v。1%から25vo1%へ増加させると,c。lumnar型の領域はほとんど変わらずに,堆積速度は大きくなった,堆積物の構造と原料の反応管内での接触時間との間には椙関関係があり,4~5秒以内の接触時間で生ずる中間体からはcolumnar型のPCが,それよりも長い時間熱処理をうけた中間体からはisotropic型のPCが,それぞれ堆積するものと考える。基材温度600°Cで堆積したPCの性状はつぎのとおりであった。比重1.5Q,電気比抵抗3.7×10-20hm,cm,X線パラメーターd。。23.88A,L.10A,残留塩素4.3%(原子数)。
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