1979 巻 (1979) 5 号 p. 568-572
アルミナおよびシリカに担持した含浸法酸化ニッケル触媒の還元性状を熱分析的手法により検討した。還元曲線の形状とX線分析結果から判断すると,担持ニッケル成分は遊離酸化ニッケル状態および担体と相互作用状態にある2種の異なる状態で担持されていることが結論づけられた。触媒焼成前後の形状を走査電子顕微鏡により観察した。焼成前の硝酸ニッケルはほぼ一様な厚さで担体をおおっている。焼成後の触媒には酸化ニッケルの正八面体結晶群が確認された。この結果は還元曲線およびX線分析によって得られた結論を支持している。遊離酸化ニッケルの存在は含浸触媒の担持状態の特徴を示す。Ni/Sio2触媒の露出ニッケル表面積が還元温度によりどのように変化するかをCOガスの化学吸着量および触媒の還元率の測定結果から検討した。その結果,酸化ニッケル11.7%担持触媒は400℃以下では表面層のニッケル酸化物が主として還元され,400℃より高温では結晶成長や固体内拡散が進行すると考察された。