1979 巻 (1979) 9 号 p. 1244-1249
二酸化塩素とフェノールの反応を水溶液中で行ない,ガスクロマトグラフを分析手段としてクロロフェノールを中心とした生成物の検討を行なった。
酸性溶液における反応では,初期フェノール量の8%程度のかクロロフェノールおよび2%程度のo-クロロフェノールが生成するのみでフェノールが酸化分解し,塩素とフェノールの反応とはいちじるしく異なっていることが明らかになった。また,アルカリ性溶液における反応ではフェノールの分解に要する二酸化塩素量が多くなり,モノクロロフェノールだけでなく1%以下の2,4-および2,6-ジクロロフェノールが生成した。さらに,酸性溶液ではp-クロロフェノールがo-クロロフェノールより多く生成するが,アルカリ性溶液ではそれらの生成量が逆転するなど,反応液の水素イオン濃度により反応生成物が変化することが認められた。
この反応により,酸性溶液においてフェノールの芳香環への付加反応によって生じたと考えられる塩素化合物が少量生成することを,ガスクロマトグラフ質量分析により見いだした。