日本化学会誌(化学と工業化学)
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海水中ウランを吸着ずる樹脂の製造
江川 博明原田 日路史野中 敬正
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1980 年 1980 巻 11 号 p. 1767-1772

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抄録

海水からウランを選択的に吸着する樹脂の合成を目的として研究を行ない,巨大網状構造(MR型)を有するアクリロニトリルージビニルベンゼソ球状共重合体(RN)をヒドロキシルアミソと反応させて得られた,アミドキシム基を有する樹脂(RNH)が海水中のウラソに対し良好な吸着性を示すことを見いだした。
良好なウラン吸着能を有する樹脂を得るための基体としては,仕込時のジビニルベンゼンが10~16mo1%でトルエンをモノマーに対し80~100vol%使用して得られたRNで,その多孔性として平均細孔半径160~200A,比表面積100~130m2/g,細孔容積0.4~0.7ml/g程度を有する球状共重合体が適当であった。これらRNにヒドロキシルアミンの3~5%メタノール溶液をRNのニトリル基に対し1~1.5倍モル量加え,60℃で3~5時間または80℃で1~2時間反応させることにより海水からのウラン吸着性にすぐれたRNHが合成できることが明らかになった。

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