日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
六フッ化硫黄の熱的特性
広岡 紘一白井 満
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1980 巻 (1980) 2 号 p. 165-169

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抄録

最近,変電機器に多く用いられている六フッ化硫黄(SF6)ガスに関し,その応用上,有用な知見の一つである熱分解について調べた。SF6ガスと各種金属とを容器に封入して加熱した結果,SF6ガスの熱分解開始温度は150~200℃であり,250℃までの熱分解生成ガス成分はSO2であることを確認した。また,この潴熱後の容器の内壁などの洗浄水からフッ化物イオソが検出された。このようなSF6ガスの熱分解の量は,温度,系内に存在する水分量,接触金属の種類に影響されることが明らかになった。SF6ガスと接触している金属の種類と,250℃におけるSO2生成量との関係は,ケイ素鋼板>銅>黄銅>鋼>アルミニウム=亜鉛めっき=ステンレス鋼の順であった。つぎに,電気絶縁用各種積層板をSF6ガス中で加熱した結果,シリコーン樹脂積層板では機械的・電気的特性の変化が認められた。シリコーン樹脂(ポリメチルフェニルシロキサン)をSF6ガス中で250℃に加熱すると,フェニル基がベンゼンとして離脱することを見いだした。これらの結果に基づいてSF(6)ガスの熱分解反応機構を考察した。

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© The Chemical Society of Japan
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