1980 巻 (1980) 3 号 p. 314-321
カテコールおよびヒドロキノンのようなベンゼンジオール類を合成する目的で,フェノールと種々の有機過酸化物との反応について研究した。その結果,フェノールを酸性化合物触媒の存在下に"ケトンペルオキシド"と反応させると反応はすみやかに進み,しかもベンゼンジオールが高収率で得られるという非常にすぐれた方法を見いだした。なお,この場合のカテコールとヒドロキノンの生成比率は,硫酸,過塩素酸,スルホン酸および硫酸塩のような触媒の存在下では約3:2,白土-リソ酸の混合物を使用した場合にぱ約1:1であった。また,アルキルフェノール類およびフェニルエーテル類と"ケトンペルオキシド"との反応について研究し,その生成物組成と量子化学的計算によるペソゼン核炭素の電子状態から,この原応は求電子置換反応であると考察した。