1981 巻 (1981) 4 号 p. 481-485
吸着剤粒子への気体の吸着過程における粒内拡散抵抗の影響を検討するため,表面拡散と体積拡散の効果に注目し,(I)体積拡散のみ,(II)表面拡散のみ,(III)両者が相互に関連して拡散する場合の3種のケースを設定して拡散吸着過程のシミュレーションを行なった。一方,micro孔を主とするアルミナ粒子上へ50℃,1.33×10-6~3.12×10-6mol/cm3のベンゼンを流して出口気体の濃度変化を測定し吸着曲線を得た。実験値と計算値を比較した結果から吸着速度定数,表面拡散係数を決定した。また,ケースIIとケースIIIの理論計算値はほぼ等しい値となり,実験値と一致することから,表面拡散の支配的な場合は体積拡散の効果がほとんど無視できることを明らかにした。これは,表面拡散により吸着濃度が高くなり,体積拡散により細孔内へ侵入した気体と容易に吸着平衡に達するため細孔内において気相からの吸着がなくなるからである。