日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
コバルト-鉄系複合酸化物ゲルの熟成時における磁場の影響
松田 恵三川田 行男嶋 直樹牧野 武香山 勲
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1981 巻 (1981) 6 号 p. 947-951

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抄録

Co2+とFe3+とを1:2の割倉で含む水溶液を水酸化ナトリウムで強アルカリとし,生成したCo-Fe系複合酸化物ゲルを母液とともに100℃ で熟成させると,次第にコバルトフェライトへと変化する。このときの熟成時間と熟成物の物性(磁化の強さ,含水量,比重,表面積など)との関係を朗らかにし,さらに,熟成時の外部磁場の効果について調べた。
熟成時間の増加とともに熟成物の磁化値の増大,含水量の減少,比重の増大,比表面積の減少が起こるが,いずれも熟成初期に顕著に現われ,熟成時間が長くなっても,その効果はあまり期待できない。このような現象は磁場内で熟成しても同様な傾向を示すが,磁場のない状態での熟成にくらべると一層顕著で,さらに磁場の強さが大きいほど顕著である。しかし5000gauss以上10000gaussまでの問ではそれほど変化はみられなかった。
このように磁場内で熟成したものは短時間で結晶化が進むことが明らかになった。いずれの方法でも熟成はある程度までは進むが,それ以上の効果は得られなかった。100℃,15時間熟成した物でも,1200℃,5時間焼成すると磁化値で約1.5倍,結晶子の大きさは約4倍の56.5nmとなった。

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© The Chemical Society of Japan
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