1982 巻 (1982) 1 号 p. 93-97
過酸化水素によるクロモトロブ酸の酸化反応にコパルトが触媒として作用することを利用した反応速度法による極微量コパルトの定量法について研究し, 分析の迅速化, 操作の簡便化をはかるためフローインジェクション分析法システムの導入を検討した。クロモトロブ酸溶液 (2.7×10-2mol・dm-3), 過酸化水素溶液 (0.4%) および炭酸ナトリウム溶液 (0.04mol・dm-3, pH11,9)の流速をそれぞれ 0.36cm3・min-1とし, これらを混合した溶液を連続して流しておく。20μlの試料を注入して触媒反応を開始させ, 410nmにおける吸光度変化を測定記録した。記録されたピーク高さとコパルト濃度 (0~100ppb)の間にはほぼ直線関係が認められ, 2ppb(40pg)程度までのコパルトを約60試料/時間の速度で定量することができた。50ppbのコパルト溶液を分析した場合の相対標準偏差は 2.3% (n=10)で精度は良好であり, 操作は簡単である。クロム(III)は10倍量の共存でも負の誤差を与えるが, 他の多くのイオンは100~200倍量の共存ではほとんど影響しなかった。