日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
クロム鉱石のアルカリ水熱分解反応
山崎 仲道叶原 悟司柳澤 和道松岡 清
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1982 巻 (1982) 12 号 p. 1903-1908

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抄録

250~420℃ の温度域での水熱アルカリ条件下で酸素ガス酸化によるクロム鉱石かちのクロム(VI)酸イオンの抽出反応について速度論的な検討を行なった。走査型電子顕微鏡観察から抽出庚応前後における鉱石粒子の粒径および形状の変化はほとんど見られず外形不変の抽出型コアモデルに基づいて検討すると,酸化抽出率曲線は化学反応律速の場合の式,よく適合することがわかった。
Arrheniusプロットは360~3800℃,400~420℃ の二つの温度域で異なった直線勾配を示し,見かけの活性化エネルギ0はそれぞれ37.2,52.8kcal/malであり,二つの反応過程の競合する反応を推察した。抽出の程度の異なるいくつかの抽出残留物の分析から,低温部(360~380℃)ではクロムの直接酸化溶出反応,高温部(400~420℃)ではFe(II)→Fe(III)と同時にク目ムが酸化抽出さ慕る反応が支配的となることを推定した。合成MgCr2O4のアルカリ熱水酸化分解反応の見かけの活性化エネルギーは14.3kcal/mol,Al抽出の活姓化エネルギーは29.2kcal/molで(FeMg)(crA1)2O4からのクロヘアルミニウムの溶出がMgCr2O4からの溶出よりも高い活性化エネルギーを示し,Fe,Alの介在による不活性化をうらづけた。

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© The Chemical Society of Japan
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