銅フタロシアニン(CuPc)を気体(アルゴン,窒素,酸素)および蒸気(ベンゼン,アセトン,メタノール,水)のプラズマ中で昇華し,その構造を赤外分光法,質量分析法および表面エネルギー解析により調べ,カーボン膜のプラズマ照射と比較検討した。プラズマ中で昇華したCuPc粒子の赤外吸収スペクトルには,1380cm-1に微弱な吸収が新しく現われた。CuPc膜へのプラズマ照射による生成物の質量分析の結果,アルゴン,酸素,メタノール蒸気,水蒸気のプラズマ照射によりH2O+,CO2+が,アセトン蒸気のプラズマ照射によりCO+が認められた。気体のプラズマ照射によるCuPc膜上の水,グリセリン,ホルムアミド,ジヨードメタンの接触角は0° になった。蒸気のプラズマ照射されたCuPc膜の表面エネルギーにしめる極性力の寄与はベンゼン,アセトン,メタノール,水の順に大きくなった。ベンゼン蒸気のプラズマ照射ではベンゼン蒸気のプラズマ重合物がCuPc表面をおおうが,気体のプラズマ照射によりCuPcは分解とともに酸素または窒素官能基が,アセトン,メタノール,水の各蒸気のプラズマ照射によりヒドロキシル基,カルボニル基などの極性基が導入されて親水性を向上した。