1982 巻 (1982) 8 号 p. 1376-1381
γ-フヱニル-γ-ブチロラクトンの20%(v/v)アセトン水溶液中でのアルカリ加水分解反応を,アニオン,カチオン,非イオン界面活性剤の存在下で研究し,速度定数(kobs)などの動力学定数や熱力学的諸定数を求めた。また,ゲルミ戸過珠を用いて基質・アルカリおよび生成物のミセル相とバルク相間の分配係数を求めて,ミセルによる濃縮効果を検討した。
活性剤添加により,加水分解反応の速度は若干増大し,EA,ΔSA,1=nPZは低下するが,dFAは無添加の場合とほとんど変化しない。また,γ-フェニル-γ-ブチロラクトンはとくに非イオンおよびカチオンミセル相に強く分配されるが,ミセル相中での反応速度はパルク相中での反応速度にくらべてかなり小となり,負の効果を示すことがわかった。イオン界面活性剤は主としてミセル電荷の符号によって反応の遅延,促進を行ない,カチオンミセルが促進効果を示し,アニオンミセルは反対に遅延効果を示す。すなわち,EAへの効果は反応に関する分子のミセル相への“とりこみ”のための自由度の減少によるΔSAへの寄与として説明できる。