日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
Meisenheimer型錯体の反応および構造におよぼす溶媒の影響
大沢 茂樹武田 誠
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1983 巻 (1983) 8 号 p. 1111-1117

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抄録

Meisenheimer型錯体を安定に捉える方法として溶媒の選択があり,ニトロ基の数によって,アルコール類,ベンゼン,ジクロロメタンのように異なる溶媒が選ばれる。この溶媒の選択性を利用してo-ニトロアニリンおよびp-ニトロアニリンにKOCH3を加えて錯体(I)および(II)をつくり,これにKOCH3を過剃に加えて錯体(III)および(IV)を生成した。この錯体の構造をUV,VIS,IR,1H-,13C-NMRスペクトルで検討した結果錯体(I)~(V)の構造が明らかとなった。
これらの反応は溶媒を変えることにより,IRスペクトルから錯体(I)のνc-o-c-Nが(III)に変化したνc-o-c-H吸収帯が得られ,1H-NMRスペクトルから(III)および(IV)の特徴を示す〓結合のHとOCH3プロトンが確認され,13C-NMRスペクトルからも〓結合の炭素が98.38および98.19ppmに共鳴することが確認された。構造に関与する反応機構は溶媒効果を微視的に表現するうえでもっとも必要となるため,溶媒と反応試薬との相互作用および遷移状態の溶媒和を考慮した結果,つぎの反応を明らかにすることができた。またジクロロメタンとKOCH3メタノール溶液との混合溶媒中の(I)%″の浅色効果および深色効果から溶媒効果を確かめた。

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© The Chemical Society of Japan
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