日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
パルスラジオリシスによるノルボルナジエン-クアドリシクラン誘導体のラジカルアニオンの化学反応性
西野 英雄志田 忠正高椋 節夫
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1984 巻 (1984) 11 号 p. 1842-1848

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抄録

ノルボルナジエンおよびクアドリシクランのエステル誘導体(それぞれNE,QEと略記する)を用い,パルスラジオリシス法および60Coγ線照射による低温マトリックス法により,NEおよびQEのラジカルアニオンの反応性について検討した。QEは溶媒和電子と1,3×10gdm3,molの速度定数で反応し,いったん生成したQEラジカルアニオンはきわめてすみやかにNEラジカルアニオンに異性化する1(109,s-1)。この異性化は77KMTHFマトリックス中でも進行する。一方,NEの電子捕捉により拡散律速速度で生成するNEラジカルアニオンはQEへは異性化せず,NEとの二分子反応によりダイマーアニオンを与える。その反応速度定数は1.2×107dm3。morl,s-と求められ,ここで生成するダイマーアニオンはC-C結合の生成をともなったσ構造をとっているものと推定された。室温における6。poγ線照射ではG(-NE)は142にも達し,ダイマーアニオンを経由して連鎖的に反応が進行し,高重合体の生成物を与えていることが明らかとなった。

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© The Chemical Society of Japan
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