日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
光応答性高分子膜による膜電位の制御
入江 正浩氈受 彰林 晃一郎
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1984 巻 (1984) 2 号 p. 227-232

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抄録

スピロベンゾピランを側鎖に含むポリ(メタクリル酸)は,水溶液中において可視光照射に応答して,高分子鎖の分子形態を可逆的に変化させる。この光応答性高分子を用いて高分子膜を作製し,膜電位の光応答挙動を検討した。可視光を照射すると,塩濃度が低い場合(C<5×10-2mol・dm-3)において膜電位はもとの値よりも減少し,それよりも高い場合には増加することが認められた。光誘起膜電位変化量は,光強度,スピロベソゾピラン含量,水溶液のpH,および膜厚に依存し変化した。これらの実験結果から,低塩濃度側における光照射による膜電位の減少は,スピロベンゾピランの光異性化にともなう負の膜荷電の増加がその原因であり,一方,高塩濃度側における膜電位の増加は,スピロベンゾピランの光異性化にともなう高分子鎖の分子形態変化による輸率の変化がその原因であることが示唆された。

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© The Chemical Society of Japan
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