日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
フッ化物ガラスZrF4-BaF2-MFn(M:第I~V族金属元素)のイオン伝導度
河本 洋二野原 一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1985 巻 (1985) 10 号 p. 1783-1789

詳細
PDFをダウンロード (1192K) 発行機関連絡先
抄録

ZrF4-BaF2-MFn三成分系ガラスを研究対象として,ZrF4系ガラスにおけるフッ化物イオン伝導とガラス構成成分との関係を検討した。MFnとして第1族から第V族の金属フッ化物12種,LiF,NaF,RbF,CsF,CaF2,SrF2,BaF2,SbF3,BiF3,LaF3,NdF3,HfF4を取りあげ,4組成点で14種のガラスを作製し,試料とした。イオン伝導度測定は金の3電極を用いて,キャパシタンスブリッジとインピーダンスベクトルメーターを併用して,アルゴン雰囲気中で室温からガラス転移温度までの温度領域について行なった。
測定したイオン伝導度の温度依存性はArrhenius式により表わすことができ,導電率はほぼ「伝導のための活性化エネルギー」にのみ依存し,逆比例関係にあった。フッ化物イオン伝導を支配すると考えられる諸因子について導電率との相関性を検討した結果,ガラス構成陽イオンの分極率が導電率を支配する主要因子であると結論できた。それゆえ,ガラス中の陽イオンの平均分極率が大きいガラスほど,伝導のための活性化エネルギーは減少し,導電率は増大した。そしてZrF4-BaF2-CsF系がより高いフッ化物イオン伝導性ガラスを与えうる系であることが示唆された。

著者関連情報
© The Chemical Society of Japan
次の記事
feedback
Top