1985 巻 (1985) 3 号 p. 339-349
ビニルスルホン類の脱スルホン反応として,著者らはスズ原子を活用する新しい手法を確立した。ビニルスルホン類へのトリプチルスタンニルリチウムの共役付加反応はテトラヒドロフラン中 -78℃ で進行し,得られた β-トリプチルスタンニルスルホンをシリカゲルと処理すると,β-脱離反応が速やかに起こり脱スルホン化物が高収率で生成した。(E)-および(Z)-7-フェニルスルポニル-7-テトラデセン[10f]の脱スルホン反応では,原料の立体化学は生成物に反映されずいずれの場合にも(E)-7-テトラデセン[15f]が主として生成した。本法を利用すれば,ビニルスルホン類のスルホニル基を親電子試剤で置換することも可能である。反応の立体化学についても考察した。