1986 巻 (1986) 11 号 p. 1479-1483
エネルギー分散法を用いて,液体1,1,1-トリクロロエタン(TCE)のX線回折実験を行なった。local Iattice structure modelに基づき構造モデルをたて,bccモデルが実験値をよく再現できることがわかった。bccモデルの基礎をなすパッキングは,head-tailhead-tailpacking(図1)である。 各分子のメチル基は,完全にランダムに配向させた。また,構造領域内の分子数nは手さぐり法で,bccの格子定数a,位置のゆらぎの程度を示すPrinsのパラメーターD,連続領域までの半径Rc,Rcの減衰因子lcの4個のパラメーターについては最小二乗法でその値を決めた。その結果,n=51,a=6.78むリノのり(0.11)Å,D=0.049(0。009)Å,Rc=12.70(0.48)Å,lc=3.1(1.5)Åを得た。かっこの中は標準偏差である。格子定数aの値から得られるTCE分子の液体中における最近接分子間距離は5,87(0.09)Åである。