trans-ポリアセチレンのソリトン濃度をρ-チオクレゾールとの固相付加反応を通じて低減化させた。このことは赤外スペクトル, ESRの測定から確認された。さらにポリアセチレン主鎖上のソリトンは選択的に低減化されたことがわかった。ソリトンを低減化させることによる電気伝導度に対する影響は小さかった。このことはKivelsonのソリトン間ホッピング伝導機構によっても説明することができた。一方, ソリトンを低減化させたポリアセチレンの耐酸化性を赤外スペクトルから調べたところ, 未処理のボリアセチレンにくらぺて, 酸化速度が4分の1に減少し, 耐酸化性が改善されることがわかった。さらにこの結果は電気伝導度の酸化による減少を軽減化するうえで電重要なことがわかった。
これらの事実はソリトンが電気的, 光学的, 磁気的特性など物理的特性だけでなく,酸化反応という化学反応にも関与していることを示していた。