1986 巻 (1986) 3 号 p. 451-456
ボリピロール被覆電極において起こる電気化学的ドープ・脱ドープ反応は, 溶液のpHをほとんど変化させないことが確認された。そこで, 水素発生や酸素発生の反応を行ない溶液のpHを変化させる白金電極と組み合わせて使ったところ, 溶液のpHを容易に変化させることができた。たとえば, pHを約5と9の間で何度もくり返して変化させることができた。水溶液中において電気化学的ドープ・脱ドープ反応を利用する場合, どの電位においてドープ・脱ドープ反応が起きるのかということが重要になるが, サイクリックボルタンメトリーにより検討したところ, ポリピロールは0Vvs, SCE前後の電位領域においてドープ・脱ドープ反応を行なうことがわかった。ボリピロール膜においてどれぐらいの量のドープ・脱ドープ反応が起きるか, つまり, ボリピロール膜のドーピング容量は, 電解重合時に回路に流れた電気量に比例するので, かなり大きな容量をもつポリピロール膜をつくることも可能であることがわかった。他の有機導電性高分子と比較した場合, pHモジュレーター用としては, ボリピロール被覆電極がもっとも適していることが明らかとなった。