1987 巻 (1987) 11 号 p. 1946-1951
ゾル.ゲル法によりアンチモンをドーピングしたTiO2薄膜を調製し,その光電気化学的性質を調べた。ESCAにより調ぺた結果,600℃で20分間熱処理したTiO2(アナタース)中のアンチモンはSb3+として存在することがわかった。Sb3+はTiO2中に侵入型で固溶してTio2の電気伝導度を増加させるが,その固溶度限は約1mol%である。光電流は薄膜の電気伝導度の増加の結果として0.5mol%Sb2O3,で約26mA.cm-2となり,若干増加するが,それ以上ドーピングするとかえっでいちじるしく低下し,とくに5mol%Sb2O3では約3mA.cm-2と約1/10に減少した。これはSb3+がTiO2のバンドギャップ中に不純物準位を形成し,それが再結合中心として働くためであると考えられる。TiO2中のSb2O3は光照射下で溶解し,ドーピング種としては好ましくないという結果を得た。