日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
嫌気性汚泥からの水銀の抽出除去
栗山 光央柿井 一男白樫 高史
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1987 巻 (1987) 12 号 p. 2344-2350

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抄録

嫌気性汚泥(水銀含量125mg・kg-1)から水銀を除去するために汚泥を好気性化し, KI水溶液による水銀の抽出と, 袖出液中の本銀の吸着除去を連続的にくり返し行なう方法を検討した。水銀の吸着剤としては陰イオン交換樹脂が優れており, 10cm3で嫌気性汚泥約560gを処理することができた。水銀の抽出方珠どしては, KI 共存下で汚泥を好気性化するよりも, 汚泥を好気性化したのち KIを加える方が優れていた。この方法を用い, KI濃度を 0.1あるいは O.02mol・dm-3としたとき, 処理後の汚泥中の水銀含量はそれぞれ 3.7および 6.Omg・kg-1にまで減少した。また, 抽出液の再利用も可能であった。水銀以外の金属としては, 0.1mol・dm-3KIを用いた場合にはカドミウムのみが 86%程度吸着除去された。抽出剤として KIのほかにEDTAを添加すると, 汚泥中の金属 (Cd, Cu, Pb, Zn, Hg)はすべて90%以上抽出されたが, 水銀以外は樹脂に吸着されず溶液中に残存した。これらの結果から, 本法は嫌気性汚泥から特異的に水銀を除去, 回収するための有効な手段であると結論した。

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© The Chemical Society of Japan
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