1987 巻 (1987) 8 号 p. 1550-1554
マロン酸ジヒドラジド-ホルムアルデヒド-酢酸セルロース樹脂を合成し,これを水中で48時間膨潤させたのち,Mn2+,Co2+,Ni2+,Cu2+,Zn2+,Cd2+の水溶液を加えて7時間かきまぜ,これらの金属イオンの捕集能をバッチ法で調べた。これらの金属イオンを500ppm含む水溶液を用いて捕集率を調べた結果,Cu2+はpH約6で99.8%,Zn2+ はpH約8で92%,Ni2+はpH約9で99%であったが,Mn2+,Co2+,Cd2+はpH5~7で40%以下であった。捕集傾向はMn2+<Co2+<Ni2+<Cu2+>Zn2+>Cd2+ であって,Cu2+ 以外の金属イオンの捕集率は20%以下であることから,この樹脂はpH6.2においてCu2+ を選択的に捕集することがわかった。これらの金属イオンを共存させた水溶液からのCu2+ の捕集率は単独のときよりも低くなったが,90%以上の値を示した。Cu2+ の捕集に影響を写える共存イオンの妨害の度合いは,Zn2+〓Ni2+>Co2+>Cd2+>Mn2+の順に減少することが明らかになった。