日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
マンガン成分による Hopeite 皮膜の構造改質とその XANES および EXAFSスペクトル
南 達郎佐藤 登
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1988 巻 (1988) 10 号 p. 1727-1731

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抄録

亜鉛めっき鋼板上の塗膜密着性を向上させる目的で, リン酸塩浴中に Mn2+ や Ni2+ イオンが添加され, その結果, 皮膜結晶中に含有されることになる。その作用は皮膜結晶中に含有されたニッケル成分よりマンガン成分の方が顕著である。
本研究では, 原子の局所構造解析として最近注目されている EXAFS を適用し, Hopeite 皮膜結晶中の亜鉛およびマンガン成分の構造解析を試みた。
その結果, 改質 Hopeite 結晶中の亜鉛成分に対する XANES スペクトルにより, 局所構造の変化を確認できた。これは Zn2+ よりイオン半径の大きい Mn2+が, Hopeite 結晶中に含有されたためと考えられた。また, XANES およ EXAFS の Fourier 変換からも, 皮膜結晶中のマンガン成分は Mn2+ を形成しているものと確認された。これまでマンガン成分については皮膜中の亜鉛の部分を一部置換した Zn3-xMnx(PO4)2・4H20 の構造を推定してきたが, 本方法によってもその可能性が高いことを把握でき, Hopeite 皮膜の改質構造と XANES および EXAFS スペクトルとが論理的に相関する結果を得るにいたった。

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© The Chemical Society of Japan
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