日本化学会誌(化学と工業化学)
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単環式および二環式モノテルペンオキシド類の無機混合溶融塩による熱分解反応
野村 正人藤原 義人
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1988 年 1988 巻 3 号 p. 321-325

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抄録

単環式および二環式モノテルペンオキシド類について硝酸塩系溶融塩(NaNO2/NaNO3/KNO3)および塩化物系溶融塩(ZnCl2/KCl/NaCl)中での熱分解反応を行ない,2種の無機混合溶融塩の相違と反応温度との関係について検討するとともに,反応生成物の選択性についても検討した。
その結果,塩化物系溶融塩を用いた場合,trans-リモネン-1,2-オキシド[1]からは反応温度310℃の条件下においてネオおよびイソジヒドロカルボン[7],[8]の2成分(2:3)のみが得られる最適条件を見いだすことができた。1,2-エポキシ-4-p-メンテン[3]からは反応温度200℃ の条件下において4-p-メンテン-2-オン[17]が77%の生成比を占めた。2-ピネンオキシド[4]からはα-カンホレンァルデヒド[18]とピノカルボン[19]の2成分を生成物中,最高97%の生成比で得ることができた。また,2(10)-ピネンオキシド[5]からはいずれの溶融塩においてもミルタナール[21]が主成分として得られることが判明した。

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