日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
コバルト(III)シッフ塩基錯体を用いる二トロアルカンの酸素酸化
西長 明森川 昌平吉田 克己松浦 輝男
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1988 巻 (1988) 4 号 p. 487-494

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抄録

ニトロアルカンをコバルトシップ塩基錯体を用いて酸素酸化すると室温でO2を取り込んで対応するケトンとニトリトコパルト(III)シッフ塩基錯体とを生成する。もっとも活性の高い錯体ほ六配位ヒドロキソコバルト(III)錯体であるが,生成するニトリト錯体が反応不活性であるために反応は触媒的には進行しない。1-フェニル-1-ニトロエタンを基質とする酸素酸化の速度論的研究から,反応の第一段階は.基質とヒドロキソ錯体との間の酸塩基平衡反応であって,生成した基質アニオンコバルト(III)錯体にO2が取り込まれ1-ニトロ-1-フェニルエチルペルオキソコパルト(III)錯体となると考えられる。このペルオキソ錯体は,配位飽和の場合はもう1分子の基質が関与してアセトフェノンとニトリト錯体とを生成する。一方,配位不飽和のヒドロキソ錯体を用いて基質をアルコール中で酸素酸化するとアセトフェノンのほかに安息香酸が得られる。これは生成したペルオキソ中間体がアルコール溶媒の関与により1-アルコキシ-1-フェニルエチルヒドロペルオキシドを生成し,これがBaeyer-Villiger分解するからである。

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© The Chemical Society of Japan
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