1988 巻 (1988) 5 号 p. 793-801
4',4(4,4'-biphenylylenedioxy)diphthalonitrile (BPPN) または BPPN とテトラシアノベンゼン (TCB) の混合物をアミン共反応体の存在下で熱重合して, 網目状ビス(フタロニトリル)ポリマーを調製した。窒素雰囲気中で 50℃ の間隔でステップ昇温しながら熱処理してポリマーの熱分解を行なった。熱分解は約 450℃ から開始して, 温度の上昇とともに加速した。600~650℃ 間での熱分解では, 比抵抗の急減と同時に, 密度および弾性率のいちじるしい増加が起きた。X線回折, ラマン, FT-IR および 3CCP-MASNMR の測定から, 500~700℃ での熱分解物では, 窒素元素をかなり含む二次元の部分的に炭化した構造が存在することがわかった。
800~900℃ の温度で熱分解すると, 炭化は一層進行し, 600~650℃ で生成した平面状の環化構造体は非晶質炭素からなる三次元網目体に部分的に変化した。成形したシートの熱分解物では, 密度1.65g/cm3, 弾牲率 27GPa, 比抵抗 0.02Ω・cmのものが得られた。