1989 巻 (1989) 8 号 p. 1371-1378
ソルボリシス反応におけるイオン性中間体からの原系復帰の薪しい検出法として,:8C--NMRを用いてスルポナート基内の18Oスクランブリングを検出する非破壊検査法の導入を試みた。アルコキシ炭素の13C-NMRは16Oと18Oの直接置換により伺位体シフトを示しそのシグナル分裂から16O18Oを定量する事ができる。目的の炭素の13C標識は13C-NMRによる直接反応の追跡を可能にする。この新手法を13C,18O二重標識の2-メチル-2-フェニルプロピル(以下ネオフィルという),2-フェニルプロピル,2-フェニルエチル,2-( .P-メトキシフェニル)エチル=トシラートのアセトリシス反応の原系復帰の研究に応用した。アセトリシス反応およびO-交換プロセス(原系復帰)が少量の標識化合物の使用により,直接NMR試料管中で13-NMRを測定する事により追跡できた。ネオフィル系では18Oスクランブリングは見られず,従来の仮説の妥当性を初めて実証した。フェニルプロピル系,フェネチル系で,intimateイオン対からの復帰は18O不完全スクランブリングを与え,溶媒介在孝オン対では完全スクランブリングを与え,イオン対の性質がスクランブリングにより区別でき定義でぎる。また,対称なフェノニウムイオン経由のフェネチル系で,復帰の際,18Oの攻撃が両メチレンに等価に起こる事実は,復帰がカチオン-アニオンにイオン化後起こると言う決定的証拠を与えた。この13C-NMRによる同位体シフト法の18O平鰍に搬醜用いることができ,質量スペクトルを使った従来の破壊検査法にくらべ有利である。