日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
溶液における質量スペクトロメトリ-類似反応の設計N,N-ジメチル-2,2-ジフェニルエチルアミンラジカルカチオンのC-C結合開裂反応
大橋 守秋山 信一山田 修三
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1989 巻 (1989) 8 号 p. 1386-1391

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抄録

N,N-ジメチル-2,2-ジフェニルエチルアミン〔1〕は電子衝撃により窒素上に局在化したラジカルカチオンを生じ,これを推進力とするβ開裂および熱力学によって決まるStevenson則によりそのフラグメンテーションが説明される。一方,〔1〕の一電子酸化(アセトニbリル中)ではPh,CH・(b)に由来するPhzCHCIが得られ,また,同溶媒中〔1〕の存在下で9,10-ジシアノアントラセンを光照射して電子移動を行わせて生じた〔1〕のラジカルカチオンも(b)に由来する生成物〔5〕と〔6〕を与えたので,〔1〕のラジカルカチオソは気相中で電液相中でも同様のβ-C-C開裂を起こすことが明ぺぴらかとなった。ラジカルカチオンの開裂に関して,ヵチオンの局在化位置を推進力とするchargelocalizationの概念とフラグメントイオンの電荷保持に関するStevenson則を溶液用に酸化電位と読みかえて拡張すれば,溶液内で生成するラジカルカチオンの単分子分解反応は一般的に質量スペクトロメトリー類似反応と呼ぶことができる。

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© The Chemical Society of Japan
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