日本化学会誌(化学と工業化学)
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含トリフルオロメチル化合物合成試薬としての2-アルコキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペンの合成と反応
久保田 俊夫近藤 康夫大山 敏広甲中 竜雄
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1989 年 1989 巻 9 号 p. 1576-1586

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抄録

含トリフルオロメチル化合物の合成試薬として2位に2-テトラヒドロピラニルオキシ基あるいは(2-メトキシエトキシ)メトキシ基をもつ1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(〔2a〕,〔2b〕)を合成した。〔2a〕および〔2b〕に対するアルコキシド,アミドあるいはアルカニドアニオンの付加反応とそれにつづくフッ化物イオンの脱離反応により,対応するオレフィン〔3〕が生成した。〔2a〕とアミドアニオンとの付加脱離反応とそ況につづく加水分解により各種トリフルオロラクトアミド〔5〕を合成した。リチウム=(S)-(-)-1-フェニルエチルアミドを用いた場合には,生成したトリフルオロラクトアミド〔6〕を2種のエピマーに分離し,これらの立体配置をX線解析により決定した。
さらに,〔2a〕あるいは〔2b〕と各種アリルアルコキシドとの付加脱離とそれにつづく[3,3]-シグマトロピー転位を経由して2-ヒドロキシ-2-トリフルオロメチル-4-アルケン酸〔10〕のおよびそのアリルエステル〔11〕を合成した。

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