1990 巻 (1990) 10 号 p. 1072-1079
メチル基を種々の位置に置換したジフェニルスルフィド(Dps)基を含む両親媒性化合物を合成し,その水溶液中における会合挙動と分子構造の相関を調べた。電子顕微鏡観察からDps二分子膜が永中で発達した会合形態を形成することが確認された.二分子膜のゲルー液晶相転移特性ならびに膜中に導入されたDps発色団間の相互作用はジフェニルスルフィド基の置換メチル基の位置,数ならびに水素給合部位の導入に大きく依存することが明らかとなった。アラニン残基構造の導入によって相転移温度の上昇ならびに会合形態の発達度が向上することから,水素結合構造を導入することはかさ高い発色団を有する一本鎖型両親媒性化合物から形成される二分子膜の特性を制御するうえで極めて有効であることがわかった。発色団に置換基を導入することによって二分子膜申における発色団配向を剃御することを新しい分子配向制御法として位置づけた。