単分子膜の表面圧(π)一面積(A)曲線は一般的にいちじるしい履歴特性(ヒステリシス)を有する。このヒステリシスループは一般の線形粘弾性体が示す楕円体とは大きく異なりゆがんだ曲線として測定される。今回,このような脂質膜の特性を解析する上で,非線形粘弾性体としての膜モデルについて理論的な検討を行った。そして,ループのゆがみの定性定量化を行うための新しい方法を提案した。すなわち,フーリエ変換を利用することにより,π-A特性のゆがみと高調波成分とを射応することができることを示した。本理論解析の応用としてリン脂質膜について,実験を行った。その結果,下層液の溶存物質が,特異的に非線形特性を変化させることがわかった。