抄録
赤色系高級有機顔料であるキナクリドンをLangumuir-Blodgett 膜へ応用するため有機溶媒への可溶性基として長鎖アルキル基を導入した。p-アルキルアニリン(アルキル基としてR=n-C8H17,n-C12H25, n-C18H37)と diethyl 2, 5-dioxo-1, 4-cyclohexanedicarboxylate (以下スクシニルコハク酸ジエチルという)から2,9-dialkylquinacriclone 6を合成した。6 は赤紫色でDMFやo-ジクロロベンゼンに微溶となった。さらに,溶解性を高めるため6を相間移動触媒存在下ハロゲン化アルキル(アルキル基として R' =n-C8H13,n-C8H17,n- C12H25を) 作用させてN,N' -ジアルキルキナクリドン7を合成した。7は黄燈色から赤榿色の微針状晶に.なり,ほとんどの有機溶媒に可溶となった。