日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
フタロシアニンおよびペリレン誘導体を用いた有機積層型太陽電池の研究
森川 尚安達 千波矢筒井 哲夫斎藤 省吾
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1990 年 1990 巻 9 号 p. 962-967

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抄録

種々のフタロシアニン(Pc)とベリレン誘導体(PTC)を用いて,(ITO(インジウム-スズ酸化物)/PTC/Pc/Au)構造の素子を作製した。これらの素子はすぺて遮光状態において・.Au電極に正電圧を印加したとき順方向となる整流性を示し,光照尉によってAu側が陽極になる光起電力を示した。短絡光電流は光量に対してほぼ比例して増加し,解放端光起電力の大きさは光量の対数に対して比例して増加した。また,これらの素子は光電流の波長依存性に,組み合わせたPTCとPcの吸収特性の違いによると思われる差が生じた。この光電流スペクトルの結果から,PTCおよびPcの両方で光電変換が行われていると考えられる。また,組み合わせたPc・PTCの種類によって・光電変換効率の大きさに明確な差が現れた。

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