都市大気質の評価に有効な化学物質を検索するために高密度都市域における浮遊粉じん中のタイヤトレッドおよび無機塩類の濃度を1988年の春と1989年の夏に測定した。大気試料の捕集は人間活動の周期を考慮してサンプリソグ期間中4~8時間ごとに連続して行った。本研究では,塩化物,硝酸壇,硫酸塩,アンモニウム塩,ナトリウム塩などの無機塩類の垂直濃度分布を求め,タイヤトレッド成分のそれらと比較検討した。その結果,都市域の大気中タイヤトレッド濃度の日および週変化は浮遊粉じんのそれらと非常に類似しており,自動車の通行量に代表される人間活動の周期によく一致していることがわかった。これよりタイヤトレッド成分は都市大気質の指標物質として有効であることが示された。