1992 巻 (1992) 2 号 p. 215-220
光重合性のモノマーと光重合開始剤,連鎖移動剤を含む感光層と,接触物質である絶縁性カパーフィルムからなる系の光照射による静電帯電について検討した。光による帯電は,感光層に光照射した後,カバーフィルムをはく離すると,光重合部分とそれに接触するカバーフィルムの表面に発生した。この光重合にともない発生する重合層表面の表面電位は,同じ種類の接触物質を用いた場合,感光層の組成や膜厚に依存した。 接触物質として三酢酸セルmスを用い,感光層の組成を変化させ,一定量の紫外線を露光した場合,重合層表面に誘起される電位は,重合層の収縮率が大きくなるほど高くなる傾向を示した。 また,高分子フィルムを接触物質として用いた場合,重合層上に誘起される表面電位は,高分子の摩擦帯電列にほぼ依存した。例えば,接触または摩擦で正に帯電しやすい66ナイロンやポリビニルアルコールフィルムを接触物質として用いると,重合層の表面はマイナスに帯電し,その逆のポリエチレソや三酢酸セルロースを用いた場合にはプラスに帯電した。光重合による重合層表面の帯電電位が,接触物質の摩擦帯電列と感光層の収縮率に依存するなどの実験結果から,光重合にともなう帯電機構として,接触帯電をモデルとした機構について検討した。