日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
合成セラミドを主成分とする生体脂質類似皮膚化粧料の開発
鈴木 敏幸芋川 玄爾川俣 章
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1993 年 1993 巻 10 号 p. 1107-1117

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抄録

皮膚の恒常性維持には,表皮角質層の水分保持能が重要な因子となっている。著者らは皮膚の水分保持機能に角質細胞間の脂質が大きく寄与していることを明確にし,細胞間脂質を外部から供給することにより,皮窟の水分保持機能が回復することを明らかにした。そして,細胞間脂質の主成分であり,自然界には微量存在するのみであるセラミドと極めて類似した分子構造をもち,同様の立体構造をとりうる薪規な化合物を分子設計により得,合成法を確立し,その工業的な製造を可能にした。また,合成セラミドが他の両親媒性脂質との脂質間栢互作用により,生体の皮膚角質層における細胞間脂質と同じ原理で水を保持した分子会合体を形成することを明らかにするとともに,会合構造を維持した乳化粒子(マルチラメラエマルション)を生成させることに成功した。このエマルションを皮膚化粧料として用いると,皮膚の水分保持機能が回復するとともに角質細胞の落屑や皮膚のパリア能が改善された。すなわち,生体のしくみと同様の原理で皮膚機能を回復させ得る,高機能の生体脂質類似皮膚化粧料の開発を行った

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