日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
脂質系ハイブリッド分子集合体系での人工酵素による立体制御機能
上岡 龍一山田 栄一後藤 浩一松本 陽子加藤 康夫
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1993 巻 (1993) 12 号 p. 1370-1375

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抄録

単独ではべシクルを形成する分子,L-α-ジパルミトィルホスファチジルコリン(DPPC)とミセルを形成する分子,α-[p-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-ω-ヒドロキシポリ(オキシエチレン)(Tritan X100)を混合したハイブリッド型分子集合体は組成や温度を変えることにより,活性トリペプチド(N-ベンジルナキシカルボニル-L-フェニルアラニルーレヒスチジル-L-ロイシン)触媒による長鎖アミノ酸エステル基質(N-ドデカノイル-D(L)-フェニルアラニン=p-ニトロフェニルエステル)のL体優位の不斉加水分解を制御できることが明確になった。これらリン脂質型ハイブリッド分子集合体を用いることにより,相転移に非常に近い温度で特異的に高い不斉選択性が発現できた。この事はハイブリッド型分子集合体の直径や疎水性領域の流動性などの種々の物理的特性が相転移温度付近で鋭く変化することと関連していると考えられる。

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© The Chemical Society of Japan
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