日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
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酸性有機リン化合物によるランタニドの溶媒抽出
秋葉 健一山田 清文中村 重人
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1993 年 1993 巻 5 号 p. 555-560

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抄録

酸性有機リン化合物,リン酸水素ビス(2-エチルヘキシル)(BEHPA),2-エチルヘキシルホスホン酸水素2-エチルヘキシル(EHEHPA)およびビス(2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィン酸(BTMPPA),による比較的重いランタニド元素,テルビウム,ツリウムおよびルテチウムの抽出挙動を調べた。ランタニド(M)の分配比は抽出試薬濃度の三乗,水素イオン濃度の-3乗に比例して変化し,M(HA2)3として有機相に抽出される。抽出定数はTb<Tm<Luと原子番号の順に増加し,また抽出試薬についてはその酸解離定数の順序にBEHPA>EHEHPA>BTMPPAとなる。抽出定数は希釈溶媒の種類に依存し,ヘキサン>四塩化炭素>1,2-ジクロロエタン>トルエン>ベンゼンの順となり,ヘキサンではとくに大きく,有機相反応の寄与について考察した。

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