日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
末端トリアジニル化によるナイロン-6へのスルホナト基の導入
佐々木 昭夫木村 良晴
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1995 巻 (1995) 4 号 p. 314-319

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抄録

ナイロン-6に新しい機能を付与することを目的として,フェノキシ基およびスルポナト基を有する新規なトリアジン誘導体の合成を行い,ナイロン-6との溶融反応を行った.とくにsodium4-(4,6-diphenoxy-1,3,5-triazin-2-ylamino)benzenesulfonate(1a)は極めて効果的にナイロン-6の末端アミノ基とフェノールの脱離を伴う反応を生じ,その添加量が末端アミノ基に対し1~2mo1のときポリマーの溶液粘度にあまり影響を与えることなく,言い換えれば主鎖の切断を生ずることなく,末端にスルポナト基を導入できることがわかった.また添加量を変えても1aによる鎖延長反応は見られず,末端アミノ基とナイロン-6の間のアミド交換反応も起こらないと考えられる.一方,1aの4-スルポナトフェニル基をスルポナトアルキル基に変えた場合,ナイロン-6の急激な粘度低下が起こることを認め,両者間のアミド交換反応の反応性の差として説明した.また1aと反応させたナイロン-6繊維はナイロン-6単独繊維と比較して,塩基性染料に対する染色性が増すとともに,対酸性染料染色性が低下することを認め,スルポナト基が共有結合によりナイロン-6に固定化されたことを確認した.また1aと反応させた繊維と前報のトリフェノキシ+トリアジンと反応させた繊維の塩基性染料に対する染色性を比較すると,前者の方がはるかに染まり難いことを認め,これをスルポナト基による競争反応として説明した.さらに1aと反応させた繊維と末端アミノ化ポリオキシエチレンとの反応により繊維の吸水性が大きく向上することを認めた.

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© The Chemical Society of Japan
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