1996 巻 (1996) 10 号 p. 882-887
接光分解は,アニソール(4a)を生成せずに熱ベンジリデンベンジルアミン(2a)とかアニス酸(3a)を1:1 の化学量論比で与えた, 1a の発光と反応に対する三重項消光実験の結果から,この光分 解反応は優先的に励起一重項状態から進行することがわかった。 la の分解反応の量子収率に及ぼす置換基と重水素同位体効果の解析を通して, 4 aは一重項かごではなく三重項かごからの拡散により生成したアニソイルオキシルラジカルの脱炭酸に起因し,一重項かご内では脱離生成物 2a と 3a を生ずる水素引き抜きならびに出発物質 1a を与えるラジカル同士の再結合反応が独占的に起こることを支持する強い証拠が得られた。一方,三重項のアニソイルオキシル-ジベンジルアミニルラジカル対中間体の項間交差は初めから高い効率で進行していることが,アセトニトリル中における 1a の三重項増感分解反応に及ぼす内部重原子効果に基づいて示された。