1997 年 1997 巻 7 号 p. 479-482
ペルオキシダーゼおよび水に難溶性の各種メディエーターを固定化した膜をガラス状炭素上に装着することにより,メディエーターを測定溶液中に添加する必要のない,過酸化水素センサーを作製し,その特性を調べた.メディエーターとして1,4-ナフトキノンまたは2-メチル-1,4-ナフトキノンを用いた場合のサイクリックボルタソモグラムは,電極還元反応と酵素酸化反応がサイクリックに進行する結果,過酸化水素の添加によって還元電流が増大し,酸化電流は減少した.一方フェロセンをメディエーターとした場合のサイクリックボルタソモグラムは,過酸化水素が電極表面近傍に拡散するまでに,膜中のフェロセンおよびペルオキシダーゼの作用によって消費されるため,過酸化水素の添加により,還元電流のみならず酸化電流も増大した.
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