2017 年 19 巻 1 号 p. 14-19
【要旨】発達に問題を持つ子どもの相談機関としての機能と、大学院修士課程及び博士課程の発達臨床研究という二つの側面を持って、20年余前に設置された白百合女子大学発達臨床センターの設置の理念と、20年余にわたる発達障害を中心とした実践と臨床研究を振り返った。その結果、認知能力が急速に発達すると考えられる幼児期初期から児童期の治療的教育内容と以降の継続期間は、発達障害児の発達に大きな影響を持つことが明らかとなり、早期発見による早期治療的教育環境の継続的な提供の重要性が示唆された。幼児期早期から成人以降まで継続して通える支援の場の提供と、障害特性と発達を見据えた治療的教育の内容を整理し充実させることが今後の課題と考えられた。