人間ドック (Ningen Dock)
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Print ISSN : 1880-1021
原 著
人間ドックにおける血圧脈波検査の意義 -胸部X線写真所見の関連-
中野 理果星 秀美松木 美幸金目 亜由実酒井 純子高多 伸哉中村 俊夫松原 升
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2017 年 31 巻 5 号 p. 675-680

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抄録

目的:血圧脈波検査は,動脈硬化の指標となる上腕足首間脈波伝播速度(brachial-ankle pulse wave velocity:baPWV)を簡便に測定することが可能である.本研究では,血圧脈波検査の結果がどのように健診結果に関わっているか,特に胸部X線写真の心血管陰影所見との関連を調べ,動脈硬化の早期診断への意義を検証した.
方法:当センターで,血圧脈波検査を行った202名を対象とし,健診結果での動脈硬化危険因子(性別,年齢,BMI,収縮期血圧,LDLコレステロール,空腹時血糖値)を調べ,baPWV値との相関検定をした.また,胸部X線写真により,心胸郭比,大動脈径,大動脈弓石灰化の有無を測定し,baPWVとの関連を検討した.
結果:baPWV値と危険因子との相関では,性別,BMI,LDLコレステロールで有意な関連はみられず,年齢,収縮期血圧,空腹時血糖値と高い相関を示した.胸部X線写真による所見では,baPWV値と大動脈径は高い相関がみられ,心胸郭比との相関も認められた.大動脈弓の石灰化がみられた群(n=64)とみられなかった群(n=138)とを比較すると,baPWVは,石灰化のある群で有意に高値となった.
結語:動脈硬化に伴う形態学的な異常が血管系に出現する以前の段階でも,baPWV値が上昇することが示唆された.人間ドックにおいて,動脈硬化の早期診断の可能性がある指標の一つとして,血圧脈波検査の有用性が期待される.

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© 2017 公益社団法人 日本人間ドック学会
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