人間ドック (Ningen Dock)
Online ISSN : 2186-5027
Print ISSN : 1880-1021
ISSN-L : 1880-1021
原著
腹部超音波検査の受診者満足度の向上を目指して
-受診者アンケート調査-
上森 心絵久保田 理子齋藤 久美子鈴木 淳海野 均
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 34 巻 4 号 p. 606-612

詳細
抄録

目的:腹部超音波検査における接遇の満足度に対するアンケート調査を実施し,分析結果を基に改善を行い,それによる満足度の向上が可能かを検証する.

方法:平成30年3月5日~12日の人間ドック受診者519名に対し,腹部超音波検査における満足度(総合満足度,検査室の環境,検査中の痛み,呼吸コントロール,検査についての説明,ゼリーの拭き取り,検査技師の対応,次回受診希望)および自由記述意見のアンケート調査を実施した.結果を分析し,改善点を見いだし,改善を行ったうえで,同年3月19日~27日の人間ドック受診者516名に対し,同内容のアンケート調査を実施した.結果については,満足度および自由記述意見の集計それぞれについて,改善前後での比較分析をχ2検定にて行った.

結果:満足度についてはおおむね変化を認めなかったものの,「検査についての説明」,「検査技師の対応」において満足度の低下を認めた.しかし,今回改善の対象となった「検査についての説明」,「検査中の痛み」については,自由記述意見の集計の「苦情および提案」における明らかな減少が確認された.

結論:改善による明らかな満足度の向上は確認できなかったものの,自由記述意見の分析において,改善を行った項目における改善の効果が確認された.また,改善を行う際は,改善に伴い生じ得る負の部分をあらかじめ予想し,事前に対策を立てることも重要と考えられた.

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 日本人間ドック学会
前の記事 次の記事
feedback
Top