2005 年 20 巻 4 号 p. 662-665
目的・方法:著者は人間ドック結果説明の際,卵・乳製品を食する高コレステロール血症(総コレステロール値220mg/dl以上)の受診者に少なくとも1週間以上その摂取を止め,主治医などで血中コレステロールと中性脂肪を測り,その結果を葉書で報告してもらう調査をしている.結果:報告を得た対象の97人(男37人,女60人)では総コレステロール値は平均で266±15mg/dlから231±25mg/dlと明らかに低下した.そのうちコレステロール降下剤を服用している受診者24人では総コレステロール値は265±39mg/dlから220±27mg/dlと明らかに低下した.そして血中コレステロール値が高いほどその低下の幅は大きい傾向にあった.結論:卵・乳製品を食する高コレステロール血症の受診者の9割以上がその摂取を止めると,総コレステロール値は1割以上低下すると期待できる.コレステロール降下剤服用者においても同様なことが期待できる.